自然と私と私たち

ダンゴムシを容器に集める。アリの巣の穴に砂を入れる。こいのぼりの尻尾をつかむとき風を感じる。水を砂場に流し川をつくる。どろ団子に白砂をかけて磨いてピカピカにする。アサガオの種をまき水をやる。甕の田んぼに田植えをする。テントウムシの幼虫を捕まえる。カイコのエサの桑の葉を探す。水たまりにわざと長靴を突っ込む。メダカや金魚の動きをじっと観察する。空を見上げ雨粒を顔に当てる。土の中に手を入れじゃがいもを掘る。石ころや葉っぱを集め並べる。太陽の日射しに手をかざす、、、。

上記は4月からの子どもの姿です。生き物や植物など自然と関わりながら様々なことに気づいたり発見したりしています。ひとりで夢中になる場合もあるのですが、近くの友だちや先生がその子の発見に気づいて、共感や共同が芽生え、遊びが広がってきます。

園の門をくぐると、緑がいっぱいです。住宅街にありますが身近な自然に気づくか気づかないかは私と私たちにかかっています。アサガオが芽を出し双葉になった。カイコが昨日より大きくなった、、、。小さな変化を見逃さず、興味や関心が広がっていく。子どもたちのそうした原体験が感性を育むのです。

私たちは子どもたちの気づきや発見に居合わせることに喜びを感じています。自然と関わる中でダンゴムシが丸まるのはどんなときか。どうしたらどろ団子がピカピカになるのか。子どもの言動に寄り添い、夢中につき合いながら子どもの中に育つ探究心や持続力を応援する日々です。

また、自然の中で遊びを豊かにする道具も大切です。砂場のシャベルやバケツ、水遊びの時の洗剤容器やホース、虫取り網や虫かご。手に取り、どうしたら穴が掘れるのか、水を勢いよく出すには、セミを捕まえるには、、、。道具と向き合いながら正しい使い方を学んでいます。

梅雨入り間近。雨で遊びが制限されることもありますが工夫次第です。合羽を着て園庭に出てみる、窓に打ち付ける雨粒を見る、雨水樽に流れる滝に雨傘を差す、、、。雨上がりの木々の匂いを感じて6月も一緒に過ごしていきたいと思います。

園長 西山俊太郎