70周年を迎えて~きょうはみんなのようちえん♪~

この数日、園庭に実る桃が甘い香りを放ち、毎日のように2,3個地面に落ちてきます。
先日、年少の子がその桃を大事そうに手の平に包み「これ食べられるの?」と聞くので「まだ青いから桃色になってからかな」と言うと園庭にかけだしていきました。様子を見に行くと土の中に埋めていました。「いろいろな姿になるから」と。するとそこにミニ図鑑をもった子がやってきて、地面に埋めた桃の丸みが気になったようです。「この(図鑑の)カブトムシのお家作る」とその子は図鑑のカブトムシのページを開いたまま地面に置き、一緒に桃に土をかぶせ始めました。2人それぞれの思いを持って一緒にしゃがみこむ姿が可愛くて、子どもの発想や言葉・動きは本当にそれぞれに豊かです。

幼稚園は6月10日に創立70周年を迎えました。70年の間に5,289人が卒園しました。峯岡幼稚園はたくさんの方々に支えられ、歴史を紡いできたことに感謝しております。いつも一緒にいる先生と子ども達といつものホールでお祝いできて嬉しい日となりました。

その日の朝、ネットを揺らしながら一人歌を歌う子がいました。何の歌だろうと近寄ると「~みなさんおはよう、きょーおはみんなのようちえん~」朝の歌です。正確には「せんせいおはようみなさんおはよう ここはみんなのようちえん」の「ここ」が「きょうは」にかわっていることがとても新鮮な響きでした!「今日」はどんな時も今日。当たり前ですが、その子の歌のおかげで私たちは今その時を生きているんだと実感しました。

私が園長と共に歩んで35年になります。35年前は創立者の吉五郎(91歳)・文子(86歳)夫妻は現役で峰坂の下から歩いて幼稚園まで上がってきていました。私にとっては嫁ぎ先の園長・副園長でありおじいちゃんおばあちゃんでした。当時はパソコンも普及しておらず私の卒論は万年筆の手書き、修論でようやくワープロの時代。幼稚園の手紙は吉五郎園長の手書き、文子副園長は牛乳券などをガリ版で刷っていました。私の幼稚園での最初の仕事はそれまでの手書きの園だよりをワープロで打つことでした。お二人とも温かい人柄で、私が幼稚園に行くと私の分も給食を注文してくれたり、文子おばあちゃんは初対面からまりちゃんと名前で呼んでくれました。長女を出産した時は二人で病院までお見舞いに来てくれたり、1歳の誕生日には我が家で4世代が集まり食事をしたり。公私ともに家族を大事にしてもらえた思いが、そのあと、その嬉しい思いに安心して今日もまた今日もと幼稚園で過ごしてきた35年。私の中で‘家族が幸せになる幼稚園’の根っこです。

幼稚園の今をありのまま受け入れようとするとき、自分が大事にしたいものは何だろうと考えること、自分と共に過ごす人や自然、もの、地域に関心をもつこと、ちょっとした何かを自分なりに感じることがなんだか楽しいと思える。そのような主体的な思いを持って、先生達や保護者の皆様と大切な一人ひとりの子の「今日」のすばらしさに向き合っていきたいと思います。

副園長 西山 真里