毎日、さまざまな出来事がある幼稚園ですが、先週の水曜日は、ボクにとって少し特別な一日となりました。午前中、一本の営業電話がありました。内容は「コピー機の入れ替えはいかがですか?」という、よくあるご案内です。話を聞いてみると、4月に入社したばかりの新人さんで、毎日電話をかけては断られる日々が続いているとのことでした。
世の中の厳しさは承知していますが、園の新人職員たちも毎日一生懸命頑張っていますし、園のコピー機もちょうど6年目。「30分だけならどうぞ」と、お話を聞くことにしました。
約束通り、午後2時に新人さんは上司の方と一緒に来園されました。ところが、その上司の方が名刺を差し出し、お名前を聞いた瞬間、思わず「えっ、○○くん?」と声が出ました。なんと18年前の卒園児だったのです。「後輩が片っ端から電話をかけていて、たまたま峯岡幼稚園につながったので、私が一緒に来ました」と笑顔で話してくれました。
最初は話を聞くだけのつもりでしたが、後輩に寄り添いながら仕事を進める姿、契約内容を丁寧に説明する様子、確認の電話対応など、その一つひとつがとても落ち着いていて、社会人として成長した姿に感心させられました。改めて、「人を育てること」「人が育つこと」は、こうした日々の経験の積み重ねの中にあるのだと、卒園児の姿から学ばせてもらった気がします。
そして、その日の夕方には、もう一つ出来事がありました。月曜日の振替休日頃から、園庭のケヤキの木にカラスが頻繁に枝を運んでいました。火曜日には、下から見ても分かるほど立派な巣ができていました。子どもたちの安全を考え、木曜日は雨予報でもあったため、業者さんにお願いして水曜日の夕方に巣を撤去していただきました。
ところが、撤去された巣を目にした瞬間、複雑な気持ちになりました。巣は、ハンガーを土台にしながら太い枝を上手に組み、その内側には細い枝やシュロの繊維、不織布などを丁寧に敷き詰めて作られていました。親ガラスが、くちばし一本で「子どもを育てる場所」を懸命につくっていたことが伝わってきました。もちろん、園としては子どもたちの安全を守ることが最優先です。しかし同時に、命を育てようとする親ガラスの力にも、深い敬意を感じました。
今週に入り、ケヤキの木からは、スズメなど小鳥たちのさえずりが聞こえてきます。幼児教育・保育では、「環境を通して育つ」ことを大切にしています。子どもたちはもちろん、保護者の皆さまも親として、そして私たち教職員も、一緒に育ち合えるような環境を、これからも丁寧に整えていきたいと思います。



















