子どもと向き合う気持ち~明日も笑顔で!

先週のバス待ちの外遊びの時に、Aくんが砂場の道具入れの棚の奥で一人しゃがみこみ、いろいろな色や形のシャベル類を棚から出して黙々とつなげていました。「このコース難しいんだよ」「スタートして」「ここがゴール」と一緒にしゃがんでいた私に教えてくれて、そばにあった落ち葉でコースをたどり始めました。コースの組み立てが創造的なことに感心していると、ぽつんと「帰るとき(帰りの会で)泣いちゃった」とつぶやいたのです。遊びに没頭しているこの子の言葉に聞き間違いかと思い「泣いちゃったの?」と聞くと頷きます。「そうだったんだ。」そこでバス乗車前の名前呼びとなり、ベンチに行ってしまいました。後を追うと、バスの子が揃うまでボルダリングに登りニコニコと私を見て微笑んでくれました。

夕方、担任にその話をすると、「そうなんです。今年初めて泣きました。泣いたって真里先生に言ってくれたんですね。」とその子が自ら伝えられたことに驚き、自分の思いが立ちゆかなくて泣いてしまった経緯を教えてもらいました。園庭の落ち着く場所でゆったり流れる時の中で遊びながら何かを感じ何かが思い巡っていたAくん。遊びの場と夕方の担任との会話を紡いでいくと、ボルダリングでの笑顔は、クラスでどうしたらよいかわからず不安だった自分のことを帰る前に誰か(私)に伝えられた、その子の充足感だったのかな、遊びを一緒に楽しむことで帰り際の気持ちも受け止めることができてよかったなと、Aくんの思いの揺れ動きに向き合うことができました。また園庭で出会える楽しみもできました。

我が家でも、先週末、一人暮らしをしている息子が久しぶりに帰ってきたのでその日の夕食の買い物をしてがんばって作っていたところ、出かけてしまい「そのままアパートに帰る」と。(なんだ。せっかく帰ってきたのに。夕食作ったのに。でもこれ、私も学生の時に経験ある、心待ちにしていた母に申し訳なかったな、今になって母の思いが分かる。息子も何か事情があったのだろう。)

同じ日に我が家に来た孫は遊んでいてもお風呂でもずっとしゃべっています。しかし遊んでいるときにもうご飯だからお片付けして手洗おうと言うと急に無口になったり(今は遊びたいんだよね手洗いじゃないんだよね。わかるよ。でも今はご飯食べてほしいし。どう言ったらその気になるかな。)食事中には突然「いちといちでせんろをつく~って」とトーマスの手遊びをし始めたり(切り替えがすごい)、等いろいろな子ども(孫)に向く思いが巡ります。

子どもたちも私たち大人も日々の暮らしを紡いでいます。日々子どもがいろいろな形で表現していることがあります。同時に、私たち大人が一旦その状況を受け止めた後に自分なりに気づき感じること、そしてこんな時もある、こうしてみようと思うこともあります。それが行きつ戻りつ繰り返すことで、また明日を笑顔で共に創り出していけるといいなと思います。

おゆうぎ会の練習も始まりました。衣装も本日持ち帰ります。
おゆうぎ会に向けてご家族で楽しんでくださいね。

副園長 西山真里