コロナ禍の幼稚園~多様性・弾力性の中での幼稚園運営~

11月に入り今日までに延べ18名の峯岡幼稚園の園関係者(在園児・教職員)が陽性と報告がありました。第7波ほどの爆発的な感染拡大とはなっておりませんが、ご家族を含めじわじわと感染が拡大している状況です。

【マスクについて】
マスク着用については以前からお話ししているとおりです。国、横浜市のガイドラインに沿って運用します。子どもについては屋外ではマスクは着用しません。室内でも一律に着用を求めることはしません。今後の感染拡大の状況により判断します。また、マスクを着用することを希望する場合は個別に園(担任)までお知らせください。(11月16日付れんらくアプリより)

先日のオープンスクールで(室内でのマスク着用率が少なく)「咳をしている子も見受けられる。子どもが咳をしていたらマスクの着用をするよう保護者に指導してほしい。」という目に見えないウイルスに対して不安の声と要望をいただきました。

マスクは正しく着用すれば飛沫を抑える効果があります(感染を予防する効果は限定的と言われていますが)。一方で「マスクをすることで発達段階にある子どもたちのコミュニケーション能力向上に悪影響がある」「うちの子は肌が弱いのでマスクの着用はできない」との声もいただきました。

同じ園を利用している保護者様の間でも価値観や身体上の問題からの多様性が認められます。これらを踏まえ、登園前の検温(園では左右計測しています)、お子さんの健康状態、咳が出るときのマスクの着用、風邪症状の際には登園を控える等のことについて、再度のご理解・ご協力をいただけますようよろしくお願いします。

【パーテーション・パーティション(partition)について】
食事中にはパーティションの設置をしていますが、おゆうぎ会前は机を舞台にすることもあり、机の少ないクラスはパーティションを使っていません。また、広い場所を確保するために机をしまって椅子を机にして食べることがあります。その際もパーティションを使っていません。

また、パーティション設置が食育、人間関係にもたらす影響も教職員で話し合っています。小学校では黙食が定着していますが、乳幼児に「おしゃべりしない」は無理があります。おそらくご家庭でも今日あったことを話したり楽しそうに会話をしながら食べると思います。おしゃべりが過ぎる場合には指導しますが、友だち同士お弁当箱の中を見せ合って「ボクもイチゴが入ってる」や給食の時に「今日のハンバーグ、おかわりしようっと」等、こうした関わりも大切にしたいと考えています。

感染の拡大状況にもよりますが、食事の時間も大切な教育の一部ととらえています。2学期も終わりに近づくと一人ひとりの食事量や食べる速さ、健康状態を担任が把握していますので、昼食時に変化があれば保護者様に連絡することもありますので連絡が取れるようしてください。
【休園・学級閉鎖について】
第一波の緊急事態宣言が出たときに臨時休園の措置をとりました。卒園式まであとわずかというときに、子どもたちの園生活を制限してしまったことは非常に辛いことでした。その後も休園や登園自粛等をお願いしたり、幼稚園で濃厚接触者に特定され自宅待機をお願いすることもありましたが、子どもたちの日常を奪うことも辛いことでした。

また、以前は1号子どもは休園するけれど、2,3号子どもは登園できるという結果の不平等がありました。「仕事があるので園に通えて助かる」という声がある一方で「うちの子は元気なのに1号だから幼稚園に通えない」ということもあり、子どもの認定によりクラスが引き裂かれるという何とも心苦しい思いをしたこともあります。

今年度に入り園内での濃厚接触者の特定をやめ、少しずつウィズコロナも本格的に始まり、学校・園の教育活動を止めない方針が示されました。幼保連携型認定こども園である峯岡幼稚園は保育者の感染が増加し、保育が提供できない場合を除き原則開所するという横浜市の方針で運営をしています。

こうした中、11月に入り園関係者の新型コロナウイルスの感染者、ご家族の感染者が増えつつあります。「小学校では学級閉鎖があるのになぜ峯岡幼稚園(幼保連携型認定こども園)にはないの」という素朴な疑問の声もあります。それは上述のように保育所と同等の方針で運営されているからです。

幼稚園は集団生活の場ですから、お子様も、お子様のご家族も、そして私たち保育者も感染する・させるリスクがあります。でも、幼稚園は子どもが、大人も育つ大切な場です。その意味で教育・保育活動を止めることなく継続していきたいと思います。

しかしながら、感染拡大が深刻な状況になったとき、保護者様にその時々の情報をお伝えして登園を控える等の判断をいただくことになります。小学校のように学級閉鎖と決めてもらった方が楽だというご意見も想定されますが、こうした弾力的な運営をして参りますのでよろしくお願いします。

【おゆうぎ会について】
ホールに舞台が設置され、ステージで踊ったり台詞を言葉にする子どもたちの姿に眼を細めています。ステージで保護者様、ご家族の皆様に見守られながらのおゆうぎ会を楽しみにしています。

12月10日にあるおゆうぎ会ですが、当日はあらかじめご家族の皆様に調整していただいているので予定通り実施いたします。登園できる子のみでステージに上がらざるを得ない状況になるかも知れません。しかしながら参加人数によっては、少しでも揃ってステージに立ちたいとの思いもありますので、詳細については検討中ですが状況に合わせ行事を遂行します。保護者様のご理解とご協力をお願いします。

最後になりますが、うちの先生たちは使命感を持って日々、保育にあたっています。でも、おゆうぎ会前に罹患することもあります。その際は教職員同士助け合って、当日まで取り組んでいきたいと思います。今後の園運営の継続~子どもたち、教職員を守るためにも登園前の検温、健康観察、ごきょうだい・ご家族の風邪症状の際には登園を控えたり抗原キットで確認の上、登園する等のご配慮いただけますよう、重ねてお願い申し上げます。

園長 西山俊太郎